一緒に暮らす愛犬は家族のように大切な存在なので、できるだけ健康で長生きしてほしいと願いますよね。

しかし、時には体調を崩すことがあります。そんな時に落ち着いて対応できるように、飼い主さんが特に気を付けてあげたい病気や、かかってしまった時の対処法など、知っておきたい点をまとめました。

犬がかかりやすい病気3つ


ここでは、犬がかかりやすい代表的な病気を3つ解説しようと思います。参考にしてもらえると嬉しいです。

外耳炎

外耳炎とは、耳に炎症が起きる病気のことを言います。犬種に関わらずかかりやすいと言われていますが、ゴールデンレトリーバーなどの耳が垂れている子や、フレンチブルドッグなどの皮膚が弱い子は特に注意したいです。原因は、食物アレルギーやアトピーなどアレルギー性のもの、細菌やダニが繁殖することで起こることもあります。

かゆみや痛みが出るため、足で掻く仕草や、耳からの臭いによって気付くことができます。日頃から愛犬の様子を観察しておくことが大切です。軽度なら通院して薬を使って治しますが、重度になると手術が必要なこともあります。薬は抗生剤やかゆみ止めのステロイドなどです。治療費は、薬のみで2,000円程ですが、手術となると20,000円程になります(治療内容や日数によっては10万円を超えることも)。

また、治療をして一旦は治っても、再発する可能性があるので、根気強く治療していく必要があると覚えておいたほうが良いでしょう。

皮膚炎

皮膚炎とは、皮膚にかゆみや赤み、かさぶたなどが現れる病気です。かゆみのために足で掻いてしまい、ますます症状がひどくなるという悪循環に陥ってしまうことがあります。そのため、早期発見が非常に大切です。原因は、アレルギー性のものや細菌、乾燥、ストレスなど様々です。

予防策として、皮膚が乾燥しないようシャンプーのやり過ぎに注意しましょう。その他、ブラッシングをこまめに行い、皮膚の状態をチェックすることができます。また、ストレスを溜めさせないよう、一緒に遊んだり運動したりすることも大切です。

治療薬は原因によって異なり、駆虫薬や抗生剤、かゆみ止めなどがあります。治療が長引くほど薬の量が増えて費用がかかります。特に初診では検査が多いため、1日数万円の出費になることもあります。

下痢

下痢は子犬や老犬が特になりやすく、注意したい症状です。小腸か大腸に異常がある時に起こり、必ずしも病気が原因ではないこともあります。原因としては、食べ過ぎや体の冷え、犬にとって危険な物を食べたなどです。

下痢を起こさせないために、まずはフードの量を調整して適切な量をあげるようにします。また、1年を通して体が冷えすぎないよう注意しましょう。夏はクーラーの使い過ぎ、冬は部屋の冷えが原因でお腹を壊してしまうこともあります。その時は、毛布などを使って体温調整ができるようにしてあげましょう。

下痢を起こしてしまった時は、まず脱水にならないよう水分を取らせます。また、フードの量を減らして胃腸に負担がかからないようにしましょう。下痢以外の症状がなく元気そうなら、しばらく様子を見てみます。市販の下痢止めを与えるのは、体内の悪いものを出す妨げとなり、かえって体調を悪化させるので良くありません。もし症状が長引く、治っても繰り返すようなら、病院へ行くのが良いです。

犬種別:かかりやすい病気


ここからは、犬種別でかかりやすい病気を解説しようと思います。

ゴールデンレトリーバー

ゴールデンレトリーバーは「股関節形成不全」を特に注意したいところです。これは、発育の過程で股関節に異常が起こることで発症します。大型犬に多い病気で、体重の急激な変化によって股関節に負担がかかりやすいからだと言われています。生後4-12ヶ月で症状が現れてくることが多いです。

原因としては、遺伝、偏った栄養や運動などです。横座り、腰を振ったりつっぱったりするような歩き方、なかなか立ち上がれないなどの症状が出てきたら要注意です。日頃から愛犬の歩き方に違和感がないか観察することが、早期発見のために大切です。

治療法としては、鎮痛剤で痛みをコントロールする他、激しい運動をやめて安静にすること、肥満を避けるための体重管理などがあります。軽度の場合これで症状が治まることもありますが、重度になると手術が必要になってきます。骨盤の骨を切断する方法や、太ももの骨から関節を作り、移植する方法など様々です。愛犬に合った治療法を考えてあげましょう。

また、予防のために、幼い頃に栄養を与え過ぎないよう注意しましょう。肥満は発症のリスクを高めます。滑りやすい床は脚に負担をかけるため、滑らないように工夫しましょう。

ダックスフンド

ダックスフンドは、遺伝で「椎間板ヘルニア」にかかりやすいです。背骨の間にある椎間板が本来の位置からはみ出し、神経を圧迫することで脚のしびれや麻痺が出てきます。最悪の場合、歩けなくなることもある怖い病気です。

脚を引きずって歩く、段差が上がれないなどの症状が出てきたら、早めに病院へ行きましょう。軽度なら薬で炎症を抑えることができますが、重度になると手術で飛び出た椎間板を取る必要があります。

また、術後のリハビリは特に大事です。脚の屈伸運動や水中での歩行、病院によっては鍼治療も行なわれます。通院はもちろん自宅でのリハビリも大切なので、十分な時間を割いてあげましょう。

予防のためには、肥満に注意が必要です。他にも、脚の負担がかかる大きな段差は上がりやすいよう工夫してあげましょう。愛犬に無理な姿勢をさせないことも大切です。抱っこする時は、縦ではなくおしりを支えてなるべく体が水平になるようにします。

柴犬

柴犬は比較的病気にかかりにくい犬種と言われていますが、気を付けたいのは「認知症」です。犬も人間と同じく、高齢になると認知症にかかることがあります。医療が進歩し長生きできるようになった現代において、認知症を発症する犬は増えています。

症状は、昼夜逆転、以前にしつけられたことを忘れてしまう、狭い場所に入り出られなくなる、同じ場所をぐるぐる回る、名前を呼んでも反応しない、などです。行動が以前と違うなと感じたら、まずは病院へ行きましょう。

認知症は完治する病気ではありませんが、対策を取ることで愛犬も飼い主さんも快適に過ごすことができます。通常の生活リズムを整えられるよう、昼間はなるべく起こして日を浴びられるようにしてあげましょう。また、狭い所から出られなくなったり、ケガをしたりする危険がある場合、サークルに入れてあげると目を離したとしても安全です。トイレの失敗が多いようであれば、こまめに外に出してあげることや、必要に応じておむつを使うなどして対策できます。

認知症は、以前にできていたことができなくなることが増えてきます。その時には叱らず、これまで通り愛情をたっぷり注いであげましょう。

予防策としては、脳に刺激を与えることができます。愛犬とのふれあいの時間を毎日十分に取ること、色々なルートでのお散歩や、おもちゃで遊ぶことが刺激となります。発症した後も、こうした刺激は大切です。家の中にこもらず、積極的に外に連れ出してあげましょう。

コリー

コリーやシェットランドシープドッグがよくかかるのは「コリーアイ症候群」です。目に様々な症状が出る遺伝性の病気です。軽度ならこれといった症状は現れませんが、重度になると、視力が弱まり物にぶつかることがあります。また、網膜剥離や出血を起こすと、失明する可能性もあります。

若い時に発症するほど進行のスピードが速いので、早期発見、早期治療が重要です。今のところ根本的な治療法はないと言われていますが、予防のために目の検査をすること、発症の疑いがあるなら定期的に病院へ行き、診てもらいましょう。

最後に


病気の種類に関わらず、一番の予防策は愛犬の様子を観察し、異常がないか確認することです。毎日ふれあう時間をしっかり取って、愛犬が健やかに暮らせるように気を配っていきたいですね。

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この記事を書いた人

おもち
・最近顔が丸くなったとよく言われる20代。
・犬が好きで好きでたまらない。
・小型犬、中型犬を飼ったことがある。次は大型犬。
・夢はマイホーム(庭つき)の多頭飼い。
・好きな食べ物はお肉とキムチ。